資料写真:試合中の日本サッカー選手
選手会:賃上げ以外に道はなし
日本選手会が日本代表の出場費と賞金の増額にこだわるのは、ワールドカップ南アフリカ大会のせいである。日本チームが再度ベスト16入りしたことで1000万ドル(約8.3億円)という誰もが喉から手が出るほどの巨額の賞金を獲得することになっている。このお金はまだ実際には日本サッカー協会の口座に送金されていないが、その取り分が20%の場合と50%の場合とでは、その差が相当大きくなることを日本代表メンバーたちはすでに計算している。
日本サッカー協会の犬飼基昭前会長はその在任中、日本代表選手たちに、ベスト16入りを達成すれば一人ずつに300万円の特別賞金を支給すると約束していた。しかし、彼の後任はそれを認めず、しかも日本サッカー協会の事実上一切の金銭的要求に応じないという乱暴な態度も選手会側を怒らせた。現在、選手会側はボイコット問題を棚上げにし、ただ賞金問題についての説明を求めている。選手会側から考えれば、選手のため、より多くの権利と利益を獲得できなければ、選手会の組合業界における今後の道も危うくなってしまうのだ。
選手会の選手:出稼ぎ労働者以下の待遇
日本プロサッカー選手会には現在950名の会員がいる。しかし、納付した会費の使用用途の不透明さもずっと外部の非難を受けている。更に会員たちが理解できないのが、選手会の職員が毎年選手会から500万円の報酬を受け取っているのに対し、選手会で兼職している選手は一銭の手当ても与えられてないことだ。また、毎回例会を開くたびに200万以上の費用がかかるのだが、これも全て選手会員たちの会費でまかなわれている。
大多数の会員たちが、サッカー協会と選手会の争いは彼らと何の関係もないと考えている。選手会が今回サッカー協会と揉めているのも、ただ日本代表選手20数名分の賞金のためだけである。今、世界のナショナルチームに在籍するキャプテンレベルの選手の年収は平均4000万円以上となっている。しかし、日本プロサッカー界には、いまだに年収わずか15万円の実習生が大勢いる。彼らは年収平均470万円の日本において、出稼ぎ労働者にも及ばないのである。貧困から脱出できない弱者集団に対し、優先的に手を打っていかない選手会に、多くの疑いの目が向けられている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月2日