去年、豊田章男社長はアメリカ議会の「公聴会」に出席し、消費者の訴えを受け、涙ながらに謝罪した。アメリカの法律も消費者も手ごわく、簡単に避けて通れないのだ。しかし、アメリカ国民は別に生まれつき「いじわる」なわけではなく、昔は自動車、食品、天然ガスなどのスキャンダルも少なくなかった。アメリカの法律と消費者たちは市場との「百戦錬磨」によって、鍛えられ、レベルを上げていった。なかでも有名なのは、ラルフ・ネーダー、消費者運動の父と呼ばれた男だ。彼は「The Times」で「アメリカ史上最も、扱いが難しい顧客」と称された。
大きな社会の環境を変えるのは難しいが、小さなものから少しずつ変えていく事はできるし、それがやがて大きな変化に繋がる。ネーダーは自身の有名な著書、『どんなスピードでも自動車は危険だ』で自動車の欠陥を指摘し、結果GM自動車の一部車種は生産中止に追い込まれた。愚痴をこぼして、暴言を吐くのはヒーローではない。中国の消費者一人一人が「扱いが難しい顧客」になり、ネーダーのように今ある権利を最大限に利用し、あるべきはずの権利を手に入れなくてはいけない。そうすれば、トヨタは二度と傲慢な態度を取ることはなくなり、我々は救われるだろう。
実際、国家質検総局の努力も功を奏している。トヨタ(中国)公司の態度には確かな変化があり、中国で5000台のリコールを実施すると発表した。この一つ一つの小さな勝利がやがて大きな勝利へと繋がり、国外の企業が中国の消費者たちを軽んじるような態度を是正してくれることを期待している。(文/付瑞生)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月28日