信条は「看脚下」
資料写真
資料写真
「私は以前から“看脚下”(自分の足元を見よ)という禅の言葉が好きです。暗闇を歩く際には、足元をしっかり見据えなければなりません。周囲を気にしてばかりで、自分の目標を見失ってはいけません。社員一人一人にもそうあって欲しいと願っています」、清水社長は度々こう語っていた。
彼は、コスト削減こそが企業の進むべき道だと考える。大学で経済を学んだことから、電力会社の経営においても資本の利潤性を非常に重視していた。3月11日、地震津波の後に福島第一原発で事故が発生した際、即座に海水注入による冷却を行うべきかどうか、清水社長は遅々として決断することができなかった。海水の注入は原子炉の廃棄処分を意味し、発電設備が無くなれば、東電は収入の基盤を失うことになる。
清水社長が判断を下せずにいる時、「国は電力会社に命令をするべきだった」と、日本の原子力の専門家は語る。しかし、日本政府はこの時点においても、日本の技術を過信し、既に制御不能となった原発に対して、迅速にそのような命令を下せずにいた。
正式辞任の日は遠くない