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目下、「中国人は日本に留学するべきか?」が、再び議論されているのは何故か。今回の議論の背景は、「国難に直面して」というものでは既になく、強い愛国感情が然らしめるところで、ここにも時代の激しい変化を見ることが出来る、と筆者は考える。また、この議論は、既に、中国が留学手段に多くの選択肢を持つようになり、昔のように、距離が近いから、漢字を見れば大体分かるから、というだけで日本に留学した時代ではないことを示している。
更に重要なのは、東日本大震災後に発生した、地震・津波・放射能漏れが三位一体となった「複合型災害」は、日本社会の安全神話を破壊しただけでなく、日本経済にも大きな打撃を与え、また、それが正に中国のGDPが日本を越えて世界第二位になった時期であり、この変化が特に人々の注目を集めた点である。地震の後、「日本人にとっては苦しい時期になる」「日本の教育に対する投資はこれ以上増えない」等々の話題も、特に熱く議論された。
「中国人は日本に留学するべきか?」を再び議論するのは、決して、古臭いテーマの単なる繰り返しではない。また、行くのにも理由があり、行かないのにも理由があり、どれも一言二言で言い表せるものでもないのだ。逆に言えば、この問題を再議論する時代の背景、ひいては、日中両国の国力差の変化を認識すること、悟ること、それこそが最も重要なのである。(文=馮紹彤)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月29日