文=コラムニスト・陳言
「大震災から4カ月余り、11年上半期の日本企業の国際化状況について統計を取ってみると、昨年同期に比べ、中国へ移転した企業数は60%増えていました」。日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所の箱崎大副所長はこう説明した。
日本経済新聞サイトJ—CASTの7月の報道によると、約100人の経営者を対象にアンケート調査した結果、企業の40%が生産や研究開発部門の外国移転を計画していることが分かった。
震災による電力不足、円の大幅上昇のため、企業は支援で資金が最も逼迫している時に、一部の資本を外国での工場建設投資に振り向けざるを得ず、中国は日本企業の外国移転の重要拠点となった。
●電力不足で手立てがなくなった日本経済
「他の地域と比べれば、被災した3県は計画停電の範囲に組み込まれておらず、電力供給は保証されているものの、私たちも15%節電しなければなりません」。福島県のある電気店の社長はこう語った。
工場の窓に竹すだれが掛けられている。こうすれば差し込む日差しを少なくし、クーラーも少しつけるだけで済む。「私たちはできるだけ夜、仕事をするようにしています。電力使用のピークが過ぎてから、従業員に働いてもらっています」。社長によると、震災後、日本全国から優先的に東日本の企業に発注する支援を受けたことで、同社も発注が減ることはなかった。ただ、問題は電力で、電力不足で日本経済は手立てがなくなった。
原子力発電所事故の影響で、日本全国の原発が一斉に停止する可能性は大きい。節電はことほか重要になった。一部の地域は計画停電を実施しており、被災地も15%節電しなければならない。日本企業は過去数年間、節電できるところはすでにほぼ節電し尽しており、さらに15%の節電が求められれば、交代制の実施や電力豊富な地域への工場移転を除き、外国に移転しないことは即、減産を意味する。外国への移転が日本企業にとって重要な選択となっている。
●円高で企業はさらにグローバル化