●円高で企業はさらにグローバル化
宮城県の県庁所在地・仙台から車で郊外の田園を走ること1時間余り、ある電子印刷工場に着いた。日本の携帯電話や自動車メーカー大手が部品の印刷工程をここに委託している。
「私たちは十数年前に上海に工場を建設しており、今年は蘇州近くの呉江に新工場を増設しました」と社長。この10年近く、日本企業は一貫して最適な生産拠点を探し続け、最も市場に近いところ、労働力が廉価で豊富なところに工場を建設してきた。
市場という要素のほか、円高が日本企業の外国移転を推進する重要な原動力だ。レートは震災前、3月10日の1ドル82円から8月2日に77円まで円高が進み、わずか4カ月余りで6.5%近く上昇。生産力を同じ期間にこの程度まで高めるのは不可能である。まして日本は甚大な自然災害と原発事故に遭遇した。日本はもともとグローバル化の道を歩んできており、円高が続いていることを考えれば、海外移転の勢いを阻むことはできないだろう。
震災後、数多くの日本企業が中国に移転したことは、電力不足と円レートの急速な上昇とかなり関係がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月11日