日本メディアはこのほど、人民元の国際化の動きを次々と報じている。報道によると、人民元建て貿易決済は拡張し続け、ますます多くの周辺国が人民元で決済するようになっている。米ドルが低下し続けているため、人民元建て決済に対する安心感が高まった。また、イギリスは人民元のオフショア市場を創設し、シンガポールも創設を計画するなど、人民元のオフショア取引が活発に行われるようになっている。さらに、欧州債務危機と米国の量的緩和策により、多くの国が人民元を政府の外貨準備通貨の一つと見るようになった。人民元は、すでに通貨の国際化を判断する「貿易決済、投資、外貨準備」という3つの要素を備えている。
報道は、人民元が急速に国際化しているのは、中国に巨額の外貨準備があるためだと見ている。中国の外貨準備高は3兆2000億ドルに達し、世界の外貨準備高の30%を占める。これが多くの人が人民元を買い増しする主な理由である。また、各主要通貨の動きはいまいちで、ドルの乱発と持続的な低下、ユーロ圏の債務危機も理由の一つだ。円は上がっているが、「上げられた」と言うべきで、日本は世界でもっとも多くの債務を抱えている。そのため、投資家はいつでも円資産を売れる準備をしている。
日本の政府関係者が人民元の急速な国際化について公の場で発言したことはないが、財務省のある幹部は個人的に「日本政府は人民元の国際化の動きとその円の地位に及ぼす影響に非常に注目している」と述べた。日本の学者と専門家は、人民元が上昇しドルやユーロに取って代わることはないが、円の影響力を弱め、円を「3大基軸通貨」から押し出す可能性があると見ている。世界では、ドル、ユーロ、元の協力メカニズムを構築し、国際通貨と金融体制を安定させるという構想も持ち上がっており、円の地位は徐々に低下している。さらに、ある学者の見方では、人民元が国際通貨になることは中国のソフトパワーとハードパワーが強まっていることを意味し、欧州が債務問題の解決で中国に助けを求めたことからも、中国の国際影響力が高まっていることがわかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月10日