記者:それでは、中国で最も売れている『喜羊羊』劇場版の年間1億人民元以上の中国興行成績という現象についてはどう見ているのか?
朱:私は、最初、『喜羊羊』劇場版を出したタイミングがとても適切だったと思う。当時、『喜羊羊』のテレビ版アニメは中国で放送されているテレビアニメの中で一番ではなかったが、トップクラスには入っていた。2、3年テレビで放送されたことで、作品の認知度もある程度浸透していた。それとともに、ビジネス的にこの商品の成長のボトルネックになっていた。その上、当時中国のアニメ映画はとても求められていた。これにプラスして『喜羊羊』の出品興行会社グループが持つ興行や宣伝力など総合的な理由で、『喜羊羊』はみんなを驚かせる成功を収めたのだと思う。
記者:今回の共同制作は、中国アニメ産業、または中日アニメ業界の連携について、どのような経験となったのか?
朱:一つはさっきもいったとおり、コミュニケーションをとることと理解しようとすること。もう一つは、私は枠を超えた国際的な連携がとても必要であること。中国のアニメ産業を発展させたいと思う人は多いが、しかし一人で閉じこもって研究しているだけでは賢明とはいえない。アニメは工夫が必要なもので、一定の時間や経験を積まなければ、きちんとしたものを作り出すことはできない。日本の一人前のアニメーターなどは、数十年の経験を持つ上達者が少なくない。中国のアニメ産業を発展させるには、外国の先進的なアニメ会社と連携を重ね、お互いの長所を発揮できるようにするしかない。その上、本番のビジネスプロジェクトこそ、一人前のアニメ人材を育成することができると思う。これこそ、市場で生き残れる会社、健全な市場を生み出す道だと思う。
最後に:
グローバル化の勢いは止まらないが、文化産業も例外ではない。まだまだ完璧とはいえないが、今回、中日両国のそれぞれの業界の筆頭である会社が連携・共同制作を実現したことが、中日両国のアニメ産業のより深い交流の土台を作ることになったことは間違いない。中日両国のアニメ産業の協力・ウィンウィンの時代は必ずくると信じている。