文=奥井禮喜
野田首相がこのほど内閣改造をおこなった。政治が相変わらず精彩を欠くのは遺憾である。民主党の政権獲得で二大政党時代来るという論調があったのも遠い話で、民主・自民の支持率は40%程度という体たらくだ。
民主党は鳩山内閣(2009.9.16から)によって政権与党として出発したのだが、カネ問題と普天間問題で政権運営らしき行動をする以前に沈没し、後継菅内閣(2010.6.4から)は消費税と津波・原発に飲み込まれた。
さらなる後継野田内閣(2011.9.2から)は安全運転というか五里霧中というか、あるいは暗中模索というべきか。大新聞社説は政治家の覚悟を叱咤し、政治を動かせと激励!するのであるが----
まず、政権交代は国民の燃え上がるような政権交代意欲の賜物ではなかったが、状況が変われば見方も変わるわけで、政権交代後は民主党がどんな政治を展開するかという期待が高まったのは事実である。
しかし、いみじくも事前に小沢氏が民主党にはまだ政権運営の力量が不足していると語ったように、いまの政治的混沌が第一には民主党の政権運営能力の欠如にあることは隠しきれない。
だからといって自民党に果たして民主党を凌駕する能力があるのかと考えれば、やはりきっちり「?」を進呈せざるをえない。依然自民党復活コールらしきものが出ず、民・自仲よく人気低落している通りである。