「暴力団は日本原発事業の核心」
鈴木智彦氏は物静かな口調で叙述しているが、彼が英『ザ・デイリー・テレグラフ』に語った一字一句は驚くべきものだった。「暴力団は日本原発事業の核心と言える。彼らがこの産業を牛耳っており、福島原発(東京電力が経営管理)はその典型例で、「福島50勇士」もその多くが暴力団員、そして多額の借金を抱えヤクザに連れて来られた負債者である。」
鈴木智彦氏は、ヤクザ専門誌『実話時代BULL』の元編集長で、福島原発事故以降、東電職員として福島原発に数ヶ月間潜入し、自身いわく、最も危険な第一線の現場で何度も救助活動を行ったという。彼の目的は、福島原発危機の裏にある真相を解明することであり、先日、彼の新しい著書『ヤクザと原発』が世に出た。
「3・11大震災からもう1年が経とうとしているのに、福島は未だ楽観視できない状態にある。」鈴木氏は言う。彼によれば、福島原発2号機は温度上昇が続いており、いつコントロール不能になってもおかしくないという。計画停電もよく発生している。しかし、メディアは数ヶ月の熱狂的報道の後、全く無関心となってしまった。福島で継続されている救災活動は、外からは「全て順調に進んでいる」と見られている。
また、東電には地震発生前からさまざまなスキャンダルが存在していたという報道もある。日本原子力安全局はたびたび彼らの安全ミス隠蔽に気付いていたが、毎回うやむやに終わっていた。
これもみな、実は暴力団(鈴木氏によれば「核マフィア」)の「功績」なのである。
「彼らは、巨大な勢力を持ち、官僚や財閥と手を組んでいる。彼らは賄賂等の手段で東電内部のスキャンダルを隠蔽することができ、大地震及び原発危機の救援活動や後始末にはこれまた暴力団の力が必要になる、政府も企業も彼らに依存しきっている。」
驚くべき「裏事情」を掘り当てた原発潜入