ヤクザからの嫌がらせは受けていない
ヤクザと原発企業との深いつながりについては、鈴木氏の前にもそれを指摘していた人々がいる。東電元役員の恩田勝亘氏もそのうちの一人で、『東京電力・帝国の暗黒』を書いている。恩田氏は言う。「東電は自身がヤクザと手を組んでいることをよく分かっている。ただ、それを気にしていないだけだ。」
昨年7月19日、大震災発生後4ヶ月が経ち、東電は世論の圧力により犯罪組織との関係断絶の宣言を余儀なくされた。「彼らは長年ヤクザと手を組んでいた会社に対しヤクザとの関係断絶を証明する文書の提示を求めた。」鈴木氏によれば、「彼らはこれに対し、調査報告による追跡調査も行ったが、組織犯罪撲滅の提唱に対する返答はしなかった。」という。さらに、東電側は以前、鈴木氏の発言について「根拠のないこと」としていた。
鈴木氏は著書の中で数多くの裏事情を暴露しているが、今のところヤクザからの嫌がらせは受けていないという。その理由について、鈴木氏はこう考える。彼の著書は、ある意味において、世間に対し、福島原発危機におけるヤクザの貢献の大きさを表明している。「私の本は、ヤクザを『救世主』に仕立て上げたのかもしれない。」(本文:『青年参考』2012年2月29日第14版 史春樹著 原題『「福島50勇士」にヤクザと負債者あり』より)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月12日