文=上海国際問題研究院 陳友駿氏
日本国内の政局は混乱し、各勢力が激しく対立、野田内閣はこれまでになく困難な時期を迎えている。
重要議題、特に国の重大利益に関わる外交戦略上、地方自治体が中央政府を僭越する行動を繰り返しているのはそのためかもしれない。釣魚島(日本名・尖閣諸島)の領土問題での石原慎太郎東京都知事の衝動的な態度、河村たかし名古屋市長の歴史認識に関する過激な発言などで中日両国の友好関係は傷ついた。
当然、日本の地方自治体のこうした危険な行動は対中問題だけで起きていることではない。他国との間の既存の問題を処理する際、利益が絡む地方自治体が極めて強く反発し、中央政府との直接対立を、内部で妥協する唯一の手段とみなしている。たとえば、米軍普天間飛行場の移転に関して、沖縄県は日本政府と直接張り合った。住民の妨害は、日米関係の構造的変化という現実を反映している。日本政府の内部混乱とは裏腹に、各地方自治体の勢力は強まり、対外戦略において中央政府を抑えつけ、国の外交政策を主導しようとする動きもみられる。
日本の地方自治体と中央政府の意見や考えは食い違ってばかりいる。より重要なのは、地方勢力の国政進出が取り沙汰されていることだ。橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」が大阪府と大阪市の地方選挙で一挙勝利、「府市合併」計画を実質的に推進し、「大阪都」という重要な新しい政治の砦に一歩近づくとともに、日本政府の指導権を揺さぶった。