3つ目に、米国の「アメとムチ」政策であるということだ。日米合意を盾に米軍基地を押し付ける一方、日本の国防能力を自国の軍事体系に徐々に取り込み、米国の世界戦略の駒として日本の自衛隊を米軍の指揮下に組み込もうという魂胆である。3月26日、日本航空自衛隊の主力部隊である「航空総隊司令部」が米空軍横田基地に移転した。米国は朝鮮の弾道ミサイルにおびえる日本人の心理を上手く利用している。弾道ミサイル防衛に関する情報を航空自衛隊に共有させることにより、日本列島を朝鮮の「人工衛星打上げ」に対する米国防衛の最前線基地にしようという訳である。また米国は、国境離島、特に南西諸島に対する自衛隊の防衛態勢を強化させることで、米中対峙の際の最前線に日本を立たせようとしている。
有事の際、後方支援を行なう軍港にせよ、再編中の軍事基地にせよ、また米国領土内に設立される自衛隊の駐留基地にせよ、そのすべてが米国の「より柔軟かつ迅速展開可能な能力を世界中の戦略的地点に配置する」と定めた軍事戦略構想の実現に向けたロードマップに過ぎない。なぜなら米国がアジア太平洋地域に重点戦力を再配置する軍事戦略を実現させるには、日本というKeystone(要石)が不可欠だからだ。また、国防予算が大幅に削減されている中で、米国は同盟国の協力を頼らざるを得ない現状だ。言うなれば、米軍は日本国民の血税を使って、覇権国の座を死守しようという訳である。なんとも、米国の狡猾さには脱帽ものである。(蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月25日