日本の大手コンビニエンスストアの海外の店舗数は2012年度中に5万店を超え、日本国内の総店舗数を上回る見込みとなった。コンビニは米国から日本に入り、日本で繁栄し、きめ細かい商品管理を武器に進化を遂げた。進化したコンビニは日本の小売業屈指の「輸出モデル」として、アジアを中心に市場を切り開いている。
◇アジアの街に溶け込む
ベトナムのホーチミン市中心街にあるファミリーマートは、午後4時を過ぎると中高生や若者でいっぱいになる。彼らは窓際の飲食スペースでおにぎりやカップラーメンを食べながらおしゃべりをし、中には2時間近く滞在する人もいる。仕事の帰りによく立ち寄るという28歳の客は、「友達と一緒に軽く食べたり休憩するのにちょうどよい」と話す。
韓国に1万5000店、中国台湾地区に8000店、大陸部に3000店を展開する日系コンビニは、アジアの街に徐々に溶け込んでいる。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップの4社は16の国・地域に約4600店(2011年度末)を構える。本年度中に海外で最大約6300店舗を新たにオープンし、日本の総店舗数を上回る見通し。
外資系小売企業も雪崩のようにアジアに進出している。大型店では、米ウォルマートや仏カルフールが有力だ。コンビニでは、米国企業がフランチャイズ経営する「サークルK」などが進出しているが、外資の競争相手はまだ少ない。
◇日本方式のコピーに壁