オバマ大統領の思惑通り、安倍首相の訪米で日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に同意しなければ、米国の戦略展開が狂うため、米国の気分を害するだろう。17日付の香港紙・東方日報が伝えた。
米国のアジア太平洋シフトはその後リバランスに変更、その要はアジアでの影響力を保つことにある。世界は依然として経済の競争で、米国と中国の力比べの重点も経済にあることに2期目のオバマ大統領は気づいた。中国は米国と覇権を争わず、軍事対立せず、経済発展に没頭する旧ソ連とは違う戦略を採っている。米国が6割の艦船をアジア太平洋地域に配備しても力を発揮する場所がない。そのためオバマ大統領はTPP戦略推進に力を入れているが、まさか日本が自らの利益を懸念して協力に消極的とは予想だにしなかった。
米国は中国にTPPへの交渉参加を要請していないが、中国当局はTPPに対して開放的な態度を示し、実際に戦略評価を繰り返し、対策を練っている。
中国の学者によると、中国の対策は(1)別の貿易協議に積極的に参加し、TPPの役割を弱める (2)経済発展パターンを調整しTPPに溶け込むべき――というものだ。
実際に今の中国は米国と競争する十分なソフトパワーもハードパワーもないため、多くの国がTPPへの歩み寄り、中国に対する経済依存度を下げるだろう。それは中国も望まない。一方、TPPのルールは中国にとって苛酷なため、中国が政策を大幅に調整し、自らTPPルールに適応することもまずない。TPPは加盟国に関税免除のほか、知的財産権保護、サービス業の開放などを要求している。米国はTPPを基本的価値観に結び付けている。
TPPの難航は中国の利益に一致する。日本がオバマ大統領に対してどう時間稼ぎするのか見物だ。TPP参加の高いハードルと基本理念が変わらない限り、その前途は困難だろう。しかし基準を下げれば格好悪い。中国は事の成り行きを静かに見守るだけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月18日