米国が日本の安倍晋三首相の1月中の訪米を遠回しに断り、安倍首相が念入りに計画した初外遊が門前払いにあった。訪米日程については、昨年12月に日米両首脳が「君子協定」を結んでいたにもかかわらず、米政府が「多忙」を理由に見合わせたことから、様々な疑問の声があがっている。
表面上はオバマ大統領の就任式などで確かにスケジュールが詰まっているが、最近の安倍首相に対する米政府の態度をみると、今回の遠回しの拒絶もとりわけ意外ではない。オバマ大統領が安倍首相の就任祝いの際に野田前首相を高く評価、米メディアも歴史問題を否定する安倍首相を批判したほか、米国務省が領土問題や歴史問題の解決を日本に2度も催促するなど、米側は日本の極右勢力に対して明確に不満を示してきた。これは戦後の日米関係史上これまでになかったことだ。
反感:米主流社会の許容範囲にも限度がある
オバマ大統領が安倍首相の歴史問題に対する態度に反感を持つのは必然的なことだ。米国では靖国神社参拝や慰安婦問題は、第二次世界大戦の歴史の評価に関わる問題であるだけでなく、世界が関心を寄せる現実的な人権問題ともなっている。小泉純一郎元首相の靖国神社参拝を隣国関係に危害を及ぼす時限爆弾として、米国はかつてこの「トラブルメーカー」の米議会での演説を拒んだ。1回目の首相就任後、安倍氏は小泉氏を弁護、「A級戦犯は戦争犯罪人ではない。謝罪の必要はない」と発言し、小泉氏以降の首相は全員天皇とともに靖国神社に参拝すべきだなど過激な提案に対し、米国は警戒してきた。