◇効果に疑問の声 安全性が懸念
原子力災害対策本部が先月7日発表した最新データによると、約1000トンの地下水が毎日、4基の原発周辺を 流れており、そのうち400トン前後が原子炉建屋の地下に流入していると試算。残りの600トンのうち約300トンは地下の作業通路内にたまった高濃度の汚染水と混ざり、汚染されて海に流出している。
これまでに東電は約1000基の貯蔵タンクを製造し、33万5000トンの汚染水を保管している。これらのタンクは慌しく製造されたため、安全性が懸念される。東電は8月20日、1つのタンクから300トンの高濃度の汚染水が漏えいしたと発表。今月1日にもタンクをつなぐ配管にも漏えいが見つかった。
ロイター通信は、凍土壁設置の計画は大きな課題に直面していると指摘。一部の専門家は、技術とコスト面からこの計画の実現性に疑問を抱く。産業技術総合研究所で地下水研究グループ長を務める丸井敦尚氏によると、凍土壁には水密性があるが、通常は工事中に数年使うだけで、長期的な効果はまだ検証されていない。福島原発事故の収集にはおそらく40年はかかる。米オークリッジ国立研究所が過去に同じような技術で放射性廃棄物を処理したが、使ったのは6年だけだったという。「それが効果を失ったときのために他にも安全措置が必要」と丸井氏。「凍土壁は1年や2年ではできない。ということは汚染水がこのまま漏れ続ける可能性があるということだ」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月5日