米隔月発行外交誌『フォーリン・アフェアーズ』(5・6月号)は、【東京の必勝主義者を見る:日本のナショナリズム復活の真の原因】と題する記事を掲載した。参考消息が4月29日に伝えた。同記事の一部内容は下記の通り。
安倍首相は、おぞましい歴史に汚されない「美しい国」として、日本を宣伝しようとしている。安倍首相と腹心は、日本の戦後の国際的な姿勢(帝国時代の侵略を前提とし、謙虚と慎重を強調する姿勢)と一線を画し、日本の強い国力に対する誇りを示し、日本が20世紀にしたことは、その他のいかなる植民大国にも劣るものではないと頑なに称している。
安倍首相が再任後、より傍若無人になっていることには、三つの原因がある。
まず自民党の意識に変化が生じた。東京大学と朝日新聞が2009年に実施した共同調査によると、衆院選で小選挙区の議席を争った271人の自民党候補者のうち、安倍首相の防衛・憲法改革に賛成したのは61人のみだった。ところが2012年の選挙では、衆議院の小選挙区を争う264人の自民党の候補者のうち、189人が安倍首相の観点に賛成した。
次に、安倍首相は2006年に来年の参院選を考慮せざるを得なかった。次の全国規模の国政選挙は、2016年にようやく実施される。選挙の周期が短い日本において、4年間は非常に長い時間だ。これにより安倍首相は、近年の歴代首相よりも大きな自由を獲得した。
それから、自民党内のナショナリストは現在、親米ムードにより選挙の市場を独占している。彼らは米日同盟強化を必死にPRする人間として登場した。米国も日本との軍事関係を強化しようとしている。これはオバマ政権の、アジアリバランスの主な取り組み内容だ。安倍首相は米国が、自分やその他の同盟国を支持する他に選択肢をほぼ持たないことを知っている。彼の挑発は時に、米国の悩みの種になるが。
これらの有利な政治的状況を鑑みると、経済が大打撃を受ける、もしくは危機が発生することがなければ、安倍首相には長い任期を維持する日本の首相になる十分なチャンスがある。日本の政界にとってこれは良いことであるかもしれない。政界はこれにより、脆弱な政党、さらに脆弱な指導者を回避できるからだ。しかし安倍首相の国内での成功は、より広範な地域にとって良い兆しではないかもしれない。日本のナショナリズムへの転向は、アジアの平和的な妥協をより困難にする。中国や韓国は、ナショナリストと交渉し、領土係争を解決しようとしないからだ。
専門家は、安倍首相は高い支持率を示しているが、日本人の多くはナショナリストを支持しないと指摘した。
この指摘は正しいかもしれない。しかし係争を巡る世論の反応にも、急な変化が生じている。有権者の投票率が低いことから、ナショナリストが政策を維持する上で、圧倒的な国民の支持を必要とはしないかもしれない。安倍首相と自民党は、この日本の政治の劣勢を覆し、日本および地域内の国に対して新たな、より不安な環境を構築するという自らの目的を実現しようとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月30日