危険な復活
安倍首相が就任すると、「明治の神話」がさらに台頭した。安倍首相は軍事・外交政策を推進する際に、「危急存亡」、「厳しい安全情勢」、「同盟国の保護」、「積極的な平和主義」などのスローガンを叫んでいる。これは甲午戦争と日露戦争中に、日本の支配層が頻繁に口にした用語を想起させる。
明治天皇の1894年の清朝に対する宣戦の詔勅は、「平和」の旗印を掲げていた。安倍首相の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定案にも「平和」という言葉が多く見られたが、これは恐らく偶然ではなかろう。安倍政権はアベノミクスを富国強兵の道具としており、明治時代の古き夢を温めようとしている。
民意の扇動と輿論のリードにおける一部の手段も、120年前と似通っている。右翼勢力と一部のメディアは「嫌中・嫌韓」の風潮を煽っている。安倍政権は国民の感情をミスリードし、悪化させる情報を絶えず伝えており、さらには国際舞台で事実を歪曲し、輿論戦を大々的に展開している。
戦争を後悔している元日本兵の沖松信夫氏は、先ほど新華社のインタビューを受けた際に、「安倍首相は就任後、日本を取り戻すというスローガンを掲げているが、その理想的な日本、美しい日本とは明治時代の日本を指している。日本人は現在も、明治維新を日本の近現代史の成功とし、次の世代を教育している。しかしながら、その中に潜む軍国主義の危険性を認識している人は少ない」と指摘した。
甲午戦争から120年後の今日、侵略戦争の歴史を宣伝する2つの石灯籠は、日本の軍国主義がかつて世界と日本にもたらした大きな災いを忘れてはならないと告げている。右翼の道を歩み続ける安倍政権が、このまま独断専行を続け、危険な「栄光」に陶酔し続ければ、日本は同じ轍を踏み、地域の平和・安定を損ねる可能性が高い。世界の人々は警戒を維持する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年7月25日