日本の衆議院選が2日に幕を開けた。安倍晋三首相は突如衆議院を解散し、主な論点を自らの景気刺激策「アベノミクス」とし、先制攻撃を仕掛けた。これは現在の政権与党のリズムに合致していると言える。共産党を除く野党は公示前に調整に追われ、295の選挙区のうち194区で候補者を一本化した。野党は反撃を仕掛けるため、支持政党のない中立的な有権者に的を絞っている。最後の投票率が、選挙の結果を左右する可能性がある。
アナリストは、「自民党の一党独裁、野党がけん制し合うという『一強多弱』という政治構造に変化はない。これに既存の選挙制度の構造的な欠陥が加わり、安倍政権に反対する民意が効果的に反映されない。自民党と公明党の連立政権は、14日の投票で勝利を収める可能性が高い」と分析した。
各政党が発表したマニフェストを見ると、民主党などの多数の野党はアベノミクスを批判する否定的な姿勢を示している。しかし準備不足のため、アベノミクスに替わる説得力のある対策を打ち出していない。
また軍事・安保、原発、改憲などの政策で、野党全体の立場にばらつきがある。一部の政党は自民党の立場に近く、さらに保守的とも言えるほどだ。
この状況下、日本国民も選択肢を失っている。安倍内閣の支持率は44%に低下し、不支持率は47%となっている。ところが同じ世論調査を見ると、28%の国民は自民党に投票すると回答しており、民主党は10%のみ、その他の政党は1桁台となっていた。また4割以上の有権者は、投票の意向を決めていないと回答した。主な野党は斬新な経済対策を示しておらず、日本国民のアベノミクスに対する不満をそのまま反対票に変えられずにいる。