安倍晋三首相は25日夜に首相官邸で、戦後70周年に発表する「安倍談話」に向けた有識者懇談会の初会合を開いた。安倍首相の個人的な諮問機関である同懇談会は、安倍首相に「材料」を提供することになる。しかし談話に「植民地支配」、「侵略」といったキーワードを使用するかを決めるのは、首相本人だ。
安倍首相は25日の会議で、専門家に対して「基調」を定めた。安倍首相は談話の作成に関する「5つの論点」を示した。これには「20世紀の経験からくむべき教訓」、「戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献の評価」が含まれる。安倍首相は談話が「未来志向」で、その「積極的平和主義」の理念を重視しなければならないと強調し、「謝罪」については触れなかった。
清華大学日本問題専門家の劉江永氏は、「安倍政権が現段階で開示している情報を見ると、安倍首相は村山談話や小泉談話を継承するという立場に変更はないと抽象的に表明し、『侵略』や『植民地』といったキーワード、村山談話の戦争に対する定義や隣国への謝罪については極力回避することになる。安倍首相は戦争に関する歴史に反省を表明するだろうが、この反省は日本語や社会の雰囲気によってさまざまな解釈が可能だ。安倍首相は侵略のイメージを薄れさせようとしており、『敗戦』についてのみ反省を表明する」と分析した。
劉氏は、「安倍首相は『戦後70周年』を強調しているが、日本の対外侵略・拡張は第二次大戦に始まるものではない。今年は馬関条約(日本名・下関条約)締結120周年だが、日本はその頃から侵略を開始していた。安倍首相が時間を第二次大戦に限定したのは、それ以前の釣魚島問題や台湾問題などの歴史をなかったことにするためだ。このような政治的意図がはっきりと示されている」と指摘した。
劉氏は、「安倍談話の重点は歴史の回顧にはなく、日本が戦後70年に渡り平和国としていかに世界に貢献を成し遂げてきたかを強調することにある。また日本が国際社会で、今後より大きな力を発揮していくことを強調することになる。力を発揮することは批判されるべきではないが、それがプラスの力かマイナスの力か、平和的発展に資するか、日本が平和的発展の道を歩み続けることを促すか、日本と隣国が新たな関係を構築し、民族の和解、ウィンウィンを実現することに資するかが重要な問題だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月27日