三菱が正式に謝罪し、20年以上に渡る賠償請求に、ついに結果が出た。第二次大戦中に日本に強制連行された中国人労働者代表は1日午前、北京で三菱マテリアル株式会社と文書に署名し、三菱マテリアルの謝罪を受け入れ和解した。
遅れた謝罪は知らぬふりに勝り、遅れた正義は道義の無視に勝る。三菱の謝罪は20年以上遅れたが、ともかく被害者、中国人、歴史にそれなりの態度を示した。
双方の和解文書の中で、三菱は中国人労働者の人権が侵害された歴史の事実をはっきり認め、被害を受けた労働者と遺族に「真摯かつ誠実な謝罪の意」を伝えた。三菱は謝罪の意を示すため、被害者もしくは遺族に1人当たり10万元を支払い、被害者の記念碑建立に出資することで、日本の後世の人々に強制連行された中国人労働者の歴史を銘記させることになった。
1人当たり10万元という賠償金は、三菱にとってはやや「ケチ臭い」と言わざるをえない。しかし我々はこれがおぞましい歴史であることを認め、「真摯かつ誠実な謝罪の意」を表し、被害者の記念碑を建立するとしたことの方を評価している。これは70数年前に日本で亡くなった中国の同胞、辛酸を嘗めつくした生存者と家族にとって、多少の慰めとなるだろう。
三菱の謝罪は、同じような罪を犯したその他の日本企業に見本を示した。さらに重要なことは、右翼の「歴史修正主義」の道を狂奔する安倍政権に対する、歴史と道徳の良き授業になったことだ。
安倍首相は再任後、「歴史修正主義」に取り組み、河野談話と村山談話を疑問視し、さらに硫黄島とミャンマーで第二次大戦中に戦死した侵略日本軍を偲んだ。これは世界反ファシズム戦争の勝利の成果を否定し、戦後の国際レジームを脅かそうとする、一つの目標を持つ。
安倍政権は今年3月29日、強行採決した安保関連法を施行した。これは戦後日本が長く守ってきた「専守防衛」政策が歴史のゴミ箱に捨てられ、日本が標榜してきた「平和国家」という看板が撤去されたことを意味する。安倍首相はこのほど攻勢を強め、南中国海問題で中国に矛先を向けている。主催国としての立場を利用しG7に代弁させ、日本で開催されたG7サミットで東中国海・南中国海問題に関する声明を採択させた。
歴史の銘記は、恨みを養うことではない。謝罪と悔悟は、歴史の悲惨なページをめくり、未来を見据えることができる。我々は安倍政権が右翼の道で一日も早くブレーキをかけ、日本をアジア太平洋不安定の新たな策源地にしないことを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月2日