国内ではまだ数千万人が貧困から脱しておらず、中西部では多くの地方が未発達の状態に置かれたままである。この面で、私は鄧小平氏に学ぶべきだと考える。改革開放の初期、中国経済は困難を極めていたが、鄧氏は中国の近代化の設計に当たっては、その目を中国に振り向けるだけに留まらず、中国の発展そのものをグローバルな大局の中で見据えて設計したのである。実に気概に溢れる。この気概がなければ、今日の中国の大きな発展はなかったのではないか。中国は発展に向けて一つの新たな起点上に立つ。今後、こうした気概が一層必要になるかも知れない。
われわれはどの方面で世界により多くの公共の製品を提供できるのだろうか。私は、3つの面で多くのことを完全に行えると考える。第1は、平和。今日の世界は総体的に平和を維持しているが、今日の世界には戦乱もまだ多く、国連の平和維持活動の任務は重くなりつつある。中国は平和維持活動により大きな支援を与えることを考えてもいいのではないか。第2は、発展。発展は全世界が直面しているいま一つの大きな課題であり、われわれは世界の発展を促す面でより有力な行動を取ることを考えてもいいのではないか。第3は、気候変動への対応。気候変動は21世紀の人類が直面する厳しい挑戦であり、この挑戦は避けることはできない。われわれはその他の発展途上国が気候変動に対応する挑戦を支援するために、より多くのことを行えるのではないか。
世界の中心に来て、われわれは何に注意すべきか。私は、国際と国内という2つの大局の統一にとくに注意を払う必要があると考える。2つ大局の統一は、胡錦涛主席が06年8月に中央外事工作会議で先ず提起したものである。胡主席のこの指示は非常に時宜にかなったものであり、まさに第17回党大会で述べているように、「当代の中国と世界の関係には歴史的な変化が生じ、中国の今後の命運は世界の今後の命運と日増しに緊密に結びついている」、「中国の発展は世界と切り離せず、世界の繁栄と安定も中国と切り離せない」のである。
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