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今年6月、菅直人首相は総理の座に就いてすぐに、民主党前幹事長である小沢一郎氏を「おとなしく」させると明言、9月の内閣改造でも小沢氏本人や小沢派の人物を起用しない等、続けて小沢氏をのけ者にし、「強制起訴」決定後も小沢氏に衆院政治倫理審査会への出席を迫った。菅首相はどうしてこれほどまで無情なのだろうか。『解放日報』が伝えた。
第一に、小沢氏は菅首相の宿敵であることが挙げられる。1998年に民主党が建党して以来、菅氏は2度ほど党代表を勤めたことがあり、民主党の「看板」的存在だった。それが、2003年に小沢氏が自由党を引き連れて民主党と合併し、2006年には菅氏を敗り、党の代表となった。ここから二人の間には溝が生まれた。
第二に、小沢氏は「正統派」の敵でもある。民主党はそれ自身、社会民主主義者、民主社会主義者、新自由主義者が混ざり合ってできているが、鳩山氏が小沢氏を民主党に入れようとしたとき、党内の「正統派」、つまり建党当時の「ベテランメンバー」である仙谷由人、枝野幸男、岡田克也等は反対した。彼らは、この自民党の悪習慣に染まった保守主義者を歓迎しなかった。今、まさにこれらの人物が急先鋒に立ち、小沢という「非正統」分子を排除しようとしている。
第三に、小沢氏は民主党の「疫病神」である。もともと小沢氏は民主党の「救世主」だった。彼が民主党に入ってからというもの、民主党勢力は次第にその強さを増し、2007年には彼の指導の下、参議院選挙で勝利を収め、特に2009年には政権を勝ち取ることができたのだ。しかし、今年の7月の選挙では小沢氏の政治とカネの問題が原因で民主党は議席を失ってしまった。これにより菅首相もますます小沢「排除」なしには政権が安定しないということを確信するようになった。