菅直人首相はなぜ「小沢切り」をするのか

菅直人首相はなぜ「小沢切り」をするのか。 今年6月、菅首相は総理の座に就いてすぐに、民主党前幹事長である小沢氏を「おとなしく」させると明言、9月の内閣改造でも小沢氏本人や小沢派の人物を起用しない等、続けて小沢氏をのけ者にし、「強制起訴」決定後も小沢氏に衆院政治倫理審査会への出席を迫った。菅首相はどうしてこれほどまで無情なのだろうか…

タグ: 菅直人 小沢切り 政界 野党 献金

発信時間: 2010-12-30 14:03:39 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

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第四に、小沢氏は世論の批判対象であること。小沢氏はその秘書の政治資金規正法違法問題により、昨年5月に党代表を辞任、そして今年6月、今度は彼の支持する鳩山内閣が金銭的スキャンダルを起こし、鳩山氏とともに幹事長を辞任せざるをえなくなった。これらのこともあり、小沢氏は政治とカネ問題の象徴的人物となり、しかも彼自身、政治とカネ問題の「化身」と言われる田中角栄の弟子ということもあり、なおさら世間の批判も彼に集中するのである。

第五に、小沢氏は野党にとって目の上の瘤である。小沢氏はかつて自民党の幹事長だったが、党内権力闘争で失脚し離党した。そして1993年に野党大連立を組織し、38年間政権運営をしていた自民党を退陣させた。さらに、2009年には彼が民主党を率いて再び自民党から政権を奪ったのである。そのため、彼は自民党にとって「不倶戴天」の仇となった。また、公明党は1993年の政変に参加していたが、その後、小沢氏に締め出され、両者は決裂。現在、菅首相が来年の通常国会(注:毎年決めた時期に開く普通の国会、常会とも言う)で予算案を通すためには、野党との協力が絶対条件となっている。

また、菅政権は来年4月に統一地方選挙を控えている。現在低迷している支持率は、決してよい兆しではない。しかも、菅グループは、支持率低迷の根本的な原因が小沢氏にあると認識している。これに対し、小沢氏は、自分は「一兵卒」にすぎず、菅内閣は成立以来、選挙戦ではすべて連敗しており、誰に責任があるかについて国民はすでに答えを出していると反論している。これも確かに事実といえる。菅氏が「脱小沢」路線で政治資本を取り戻そうとするのは、少々的外れなのではないか。現在の内閣支持率下落の原因は、「中国漁船衝突事件」における外交的失策である。仙谷由人官房長官はこれで問責決議を受けたのである。現在の状況は、こうだ。菅氏は小沢氏を「切る」ことを条件に野党に連携を求めているが、ほとんどの野党がこれに応じない。これでは、小沢氏が民主党離党に追い込まれても、政界の勢力再編は菅首相を中心に行われるとは限らず、ともすれば小沢氏が再び「乱世」の風雲児になるかもしれない。

(文=上海国際問題研究院日本研究センター・廉徳瑰副主任)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月30日

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