東北アジアの軍事的枠組み、2度目の再構築

東北アジアの軍事的枠組み、2度目の再構築。 朝鮮の核問題やミサイル試射、いわゆる「核爆発」といった事件が起きるに伴い、日韓両国の軍事的投入は急激に高まり始めた。東北アジアの軍事力の対比は変わりつつある。このところ、中米の軍事関係も新たな変化が起きている。同地域では新たな軍事的枠組みが形成されつつある…

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発信時間: 2011-01-26 16:33:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

韓旭東・国防大学教授

朝鮮の核問題やミサイル試射、いわゆる「核爆発」といった事件が起きるに伴い、朝鮮は韓国と日本の軍事力向上に影響を及ぼす優性の要素となった。とくに韓国の哨戒艦「天安」沈没事件と朝鮮と韓国双方の砲撃事件が発生すると、日韓両国の軍事的投入は急激に高まり始めた。東北アジア地域の軍事力の対比は変わりつつある。このところ、中米の軍事関係も新たな変化が起きている。東北アジア地域では今、新たな軍事的枠組みが形成されつつある。

冷戦時代、米ソ双方は朝鮮半島で半世紀近くにわたり対峙していたが、東北アジアの軍事的枠組みは基本的に安定状態にあった。冷戦後に米ソの対峙が終結すると、東北アジアの軍事的枠組みは初めて調整された。冷戦終結の初期、日本は軍事配備の重点を絶えず西南の方向へと調整し、中国を「仮想の敵」として絶えず軍事力を増強したが、米国がその海外での軍事行動の重点を中東と中央アジアに据えたことから、韓国は軍事面で朝鮮に対し「忍従」の方法を講じ、加えてロシアは北大西洋条約機構(NATO)との問題の解決を最優先し、中国は精力を集中して経済を発展させ、東北アジアの軍事的枠組みは大きくは変わらなかった。「6カ国協議」のメカニズムによって、東北アジア地域の安全と安定は基本的に維持された。

現在、東北アジアの軍事的枠組みは冷戦後2度目の調整が行われており、それぞれ安全と利益にかかわる側の間の軍事関係は変化しつつある。なかでも、日本と韓国の軍事関係の変化はとくに際立っている。2011年1月10日、韓国と日本は相互の安全と防衛協力を強化することで一致、同意するとともに、今後毎年、防衛大臣・副大臣級の会談を交互に催すことを決定。さらに双方は「物品役務相互提供協定」(ASCA)、「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)について協議し、合意に達した。日韓双方がこの2つの「協定」に署名すれば、初めて軍事協定が成立することになる。日韓がたとえ軍事同盟を結ぶことはなくとも、軍事協力は徐々に増強されていくことを意味する。日韓両国は東北アジアの軍事的枠組みにおける「手立て」を強めるためにこの措置を講じたのである。

同時に、米国と中国の軍事関係も調整中だ。ゲーツ米国防長官が訪中した際、中米の軍関係者は相互信頼を強め、誤解を減らすことなど多くの項目で認識を共有。今年上半期の適当な時期に、中国軍側の陳炳徳・総参謀長が米国を訪問し、反テロや平和維持活動、航行護衛、人道主義支援・災難減少といった非伝統的な安全分野で協力を展開することについて協議する予定だ。米中両軍の関係が再び「温かさを取り戻した」ことを示すものであり、東北アジアの安全が両国の最も関心を寄せる問題になるのは間違いない。

 

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