▽同盟国は板ばさみに
F35計画の遅れは米軍だけでなく、すでに発注契約を結んだ同盟国をも困惑させている。日本の共同通信社は、昨年末に採択した新防衛大綱の着手と、まもなく打ち出される新たな「中期防衛力整備計画」の充実をはかり、日本の航空自衛隊の防御能力をさらに高めるため、日本はF35戦闘機を購入候補に入れ、最有力候補の一つにすると伝えた。このため、米国は日本に「戦闘機の性能に関する情報に対し厳格な管理」を求め、秘密保持協議を交換した。これは、日本がF22購入をあきらめ、F35を次期主力戦闘機と位置づけることを意味する。しかしF35の価格は計画開始当初の予想販売価格より50%以上高くなっており、性能もF22に大きく劣る。日本がやむなくこの戦闘機を受け入れたことは明白だ。
米国と最も親密な同盟国である英国もF35に頭を悩ませている。現在、英国はすでに本国のハリアー垂直・短距離離着艦機を引退させ、クイーンエリザベス級航空母艦に装備予定のF35を待っているが、もともと目をつけていたF35Bの導入時期は延期になってばかり。このためキャメロン英首相は昨年10月、完成目途の立っている通常離着陸型の戦闘機F35C購入に契約を更新すると発表した。しかし、クイーンエリザベス級航空母艦には十分な長さの看板があり、F35Cに必要な射出機を追加搭載できるとはいえ、余計な手間がかかる。また、射出機やその他の設備がもともと財政困難な国防費を占めることにもなる。英国のF35購入も頭の痛い問題であることには間違いない。
日英はいずれも優れた航空工業の基礎があるにもかかわらず、次世代戦闘機への希望をすべて米国に託し、自らの手足を縛っている。特に戦闘機F2(米製F16が手本)の開発を土台に発展させてきた日本の「戦闘機産業」は終わりを告げることになる可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月27日