日本の防衛省はこのほど、三菱重工業が中心となって開発を進めている先進技術実証機(ATD-X)「心神(しんしん)」の初飛行は2014年度を予定していると重ねて表明した。英フライト・インターナショナル誌(電子版)が30日、伝えた。
同省によると、ATD-Xは高機動、ステルス戦闘機の試作機で、将来戦闘機に導入されるであろう様々な先進技術システムを搭載しており、あらゆる飛行条件の下でこれらの技術の実用性や作戦性能が検証される。
08年の国際航空宇宙展で日本は初めてATD-Xの実物大模型を展示。当時は、日本が独自に戦闘機を開発するのはコストやリスクが高過ぎる、米製F22戦闘機購入の駆け引きに使うつもりだという声が多かった。しかし米議会は日本を含むどの国や地域にもF22の禁輸措置を取っている。
日本は戦闘機の開発と同時に次期主力戦闘機(F-X)導入計画を進め、防衛省は今年4月にようやく先延ばしにしていた入札募集をかけた。入札に参加するのは、米ボーイング社のF/A18(スーパーホーネット)、ロッキード・マーチン社のF35(ライトニングII )、ユーロファイター社のユーロファイター・タイフーン。各社は今年9月末までに応募書類を提出し、2012年度予算にF-X調達を盛り込み、2016年には航空自衛隊のF-4に代わる戦闘機として新型機が導入される計画だ。
日本の内閣が承認した「中期防衛力整備計画(2011-2015年)」によると、防衛省はとりあえずF-Xを12機購入、最終的な数はまだ確定していない。しかしボーイング社がパリ航空ショーで明らかにした情報によると、日本は42機のF-Xを必要としているという。同社がF-15改良型ではなく、F/A-18で入札に臨むのは日本が戦闘機の機種多様化を望んでいるからだという。
日本の航空自衛隊の主力戦闘機は現在、ボーイング社のF-15Jで、相当の数を配備しているが、日本は同機に技術的な問題が見つかった場合、その主力戦闘機隊の活用性に大きな支障が出るのを懸念している。