どの国でも自国の付近でロシアの戦略爆撃機を目にすれば頭を抱える。うなりを立て、スピードは出ない、その威力は強大なツポレフ95は身辺のスピードが出せ、高精度な装備を搭載する戦闘機をあざ笑っている。ロシアがその敵を嘲笑するかのように。今年に入ってこうした状況がロシアと日本の間で繰り返されている。日本のメディアが16日発表した統計によると、今年に入って日本の戦闘機が緊急発進したうちの半数がロシア軍戦闘機の「訪問」によるためであることがわかった。また、ロシアの艦艇20隻余りがロシアと日本の国境を接する宗谷海峡を通過した。また、ロシアと朝鮮は合同軍事演習を計画しているほか、両国による鉄道、パイプライン計画が世界の注目を集めている。日本の産経新聞は、ソ連時代に衰退したロシアの力が再興するかが試されると報じた。
日本の多くのメディアが16日、防衛省統合幕僚監部の最新報告として、領空侵犯の恐れがある外国機に対し、航空自衛隊が4~9月に緊急発進(スクランブル)した回数は203回で、うち対中国機が急増したと伝えた。ただ、半数以上の106回は北のロシアに対する緊急発進だった。
今年に入ってロシアの東に向けた動きが活発になっている。9月初め、ロシアの爆撃機ツポレフ95と対潜機が日本領空に接近し、日本を一周した。産経新聞は、「ロシアの戦闘機が堂々と日本を一周したのに日本は平気でいられるのか?」と日本政府に詰問した。先月14日、野田佳彦首相はロシアのプーチン首相と電話で話し、「挑発」的行為に抗議、プーチン首相は「平静かつ友好的な雰囲気の中で議論したい」とだけ答えた。
或いは「立体的」な効果を示すため、9月9日、ロシアの艦艇24隻がロシアと日本の間の宗谷海峡を通過、その後、ロシア太平洋艦隊と朝鮮海軍が軍事演習を行うと発表した。9月末、ロシアは極東のカムチャッカ半島で軍事演習を実施、新型戦略原子力潜水艦を太平洋艦隊に配属すると発表。さらに今月12日、ロシア国防省は南クリル諸島(日本名・北方四島)にミサイルや戦闘機といった大型兵器を配備すると発表。ロシア紙は「南クリル諸島は歯まで武装するだろう」と報じた。
軍事行動以外に外交、経済面でもロシアは「東への拡張」を進めている。13日、ロシアは朝鮮・羅津湾に至るロシア・朝鮮鉄道を開通した。ロシア側によると、朝鮮半島を跨ぐ鉄道は今後シベリア鉄道と「一体化」する計画だという。朝鮮を経由してロシアから韓国へ天然ガスを送るパイプラインの建設計画も注目を集めている。ロシアは「欧亜連盟」および、プーチン氏大統領選出後の最初の訪問先は中国だと発表、西側メディアも、ロシアが太平洋東に拡張する証だとの見方を示している。
AP通信は、ロシアはパンチを効かせた一連の行動を通じて、極東における影響力を拡大し、日米軍事同盟の戦略的余地を抑えつけようとしていると伝えた。一方、ロシア通信社ノーボスチは、ロシア軍は来年、朝鮮海軍と中国海軍との合同軍事演習を計画しており、こうした動きが「日本と米国の神経を逆なでしている」と報道。日本の毎日新聞は軍事評論家、小泉悠氏の言葉を引用し、「ロシアの安全保障と戦略の重心が東アジア地域に移行する兆しだろう」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月20日