米F35の価格高騰 航空技術革命の必要性を露呈

米F35の価格高騰 航空技術革命の必要性を露呈。 米次世代戦闘機F35の価格高騰にここ数年注目が集まっている。米メディアが開発の遅れと価格上昇を非難するだけでなく、中国の専門家や学者の多くも第4世代機の開発リスクと課題を回避できないか、F35計画の経験と教訓を議論している。F35が悪循環に陥った原因の一つに世界的なインフレがある…

タグ: 戦闘機 F35 価格 航空 技術 革命

発信時間: 2011-08-30 11:19:46 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米次世代戦闘機F35の価格高騰にここ数年注目が集まっている。米メディアが開発の遅れと価格上昇を非難するだけでなく、中国の専門家や学者の多くも第4世代機の開発リスクと課題を回避できないか、F35計画の経験と教訓を議論している。F35が悪循環に陥った原因の一つに世界的なインフレがある。

2001年、米国はF35を1機当たり5000万ドルと発表した。ではインフレの影響を考えると、2011年にはF35の単価はいくらになるか?答えは6381万ドル。ところが同年、同機の価格は1機当たり1億2千万~1億5千万ドルにまで高騰。7千万~1億ドル上昇したことになる。インフレ要素を除いても、さらに8千万~9千万ドル上乗せされている。どうしてこうなったのか?

F35は世紀の資金調達運動で、しかも同盟国と一緒になって資金をかき集めているという見方がある。表面的には確かにそうだが、米軍の装備発展史を研究してみると、米軍が複雑な性能の装備を開発或いは同盟国と共同で装備を開発・生産(例えば欧州と共同生産したF16、日本と共同生産したF15)したのをみれば前例があることに気づく。どうしてF35計画はこれほどまでに苦境に陥ってしまったのか?しかもF22就役後、F35は安いステルス戦闘機といわれ、世界最大の軍事プロジェクトであるにもかかわらず、数々の困難に直面している。その原因を深く考えてみる必要がある。

F35の問題は欧米の先進航空産業がすでに技術と生産率の大きなボトルネックにさしかかっていることを表面化したと筆者はみる。世界の航空産業に技術と生産率の革命的なブレークスルーがなくなれば、将来的な見通しは楽観視できない。F35の統合設計概念は史上最も複雑な航空設計が求められる。F35B垂直離着陸戦闘機の問題を代表とし、現在のエンジン、材料などを含む航空技術ではその要求を満たすことができない。これは側面から現在の航空技術理念がすでに発展の極限に達していることを説明している。つまり、ジェット式作戦機もすでに技術の極限が近いということだ。

また価格上昇は技術的な困難の他に、航空産業全体(特に作戦航空機)で生産率の向上が必要なことを示している。英BAE社はかつて、F35はフレキシブル組立技術を採用、1日1機の生産効率を確保できると発表した。だがこの効率には疑問が残る。F35の関連部品の生産率はこのスピードについていけないからだ。これは欧米製造業の空洞化、生産率の低下による必然的な結果といえる。製造業の生産率が低い環境の中で、F35の高い生産率を維持するのは不可能だ。そのため米国およびその同盟国が生産率の問題を解決しない限り、F35の価格はさらに上昇するだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月30日

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