歴史の教科書をどう記述するかでその国の国民がどう歴史を認識するかが決まる。歴史問題に責任を負わないのが真の「自虐」だ。
アジア各国が日本の新内閣を強く警戒するのは十分な理由がある。
今年8月の自民党総裁選で安倍氏は、自民党が政権を取った場合、「3大談話を修正する必要がある」と述べた。周知の通り、「3大談話」は日本の歴史問題に対する認識だ。隣国を刺激しない教科書の記述を提案した1982年の「宮沢談話」。従軍慰安婦の強制性を認め謝罪した1993年の「河野談話」。日本の侵略と植民地支配を謝罪した1995年の「村山談話」。「3大談話」は重大な歴史問題に関わる。これらの問題において言葉を濁し、思うままに歪曲するのは、日本が発動した侵略戦争の被害国およびその国民を傷つけ、軍国主義を復活させることを意味する。
アジア各国がそうした不安を抱く中、日本は再び「安倍時代」に入った。まだ数日だが、安倍氏は根本的な是と非の問題で浅はかな策を弄している。「村山談話」精神を継承すると表明すると同時に、河野談話の見直しに関しては「有識者の知恵も借りながら考える」と強調。歴史教科書の問題に関しては、「教育改革を通じて歴史と文化を尊重する態度を育む」ととりとめもないことを言っている。