米軍当局は先ごろ、日本の『産経新聞』で意見を発表し、米軍空母にとって巨大な脅威となる、例えば中国人民解放軍の「DF-21(東風-21)」などの対艦弾道ミサイルに対応するにあたって、高度なステルス性を持つ無人機「X47B」を使用し、空中給油によって、「DF-21」の射程距離外の空母から離陸して沿海の領空に入ることで、「ブースト・フェイズ(上昇段階)のミサイルを迎撃することが可能である」との見方を示した。
「なんとも無謀な考えである」と空軍航空専門家の宋心之氏は笑いながら話す。「弾道ミサイル発射後のブースト・フェーズは通常3分前後である。亜音速で飛行するX47Bでも、3分間で飛べる距離は45キロから50キロほど。空対空ミサイルを搭載して飛び、50キロ飛べたとしても、目標までの攻撃距離は100キロ以上になる。広大な沿海地域で弾道ミサイルを狙うのは簡単なことではない。その上、衛星が弾道ミサイルの上昇を確認し、その情報をX47Bに伝える時間を計算に入れなければならない」と指摘する。
そして、それ以上に対処が難しいのは、弾道ミサイルの驚異的な速度である。「X47Bの飛行高度は最大で12000メートル。弾道ミサイルは発射されてから、極めて短時間で、ブースト・フェーズが終わる前にこの高度に達することができる。仮に、X47Bが運よく近くに居たのなら、ミサイルを発射して迎撃できる可能性もいくらかはあるが、離れた場所に居た場合には、空対空ミサイルは弾道ミサイルよりもはるかに遅いため、到底追いつくことはできない。追えば追うほど、意味がなく、能力不足を嘆くしかないだろう」と宋氏は説明する。
宋氏はまた、「その上、X47Bは完璧な防空システムを有する大国の領空に入り込む勇気があるだろうか。X47Bが弾道ミサイルを迎撃できるという見方は、現実味のない、だたのうまい話に過ぎないようだ」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月16日