11月23日に中国が東中国海防空識別圏の設定を発表すると、各方面が幅広く注目した。実際にはすでに世界20数カ国・地域が防空識別圏を設定している。防空識別圏の歴史、効果、特性などについて解放軍報が空軍指揮学院科学研究部の安鵬部長に話を聞いた。
記者:防空識別圏の設定を通じて国家の安全を守ることは、すでに多くの国々に共通の手法となっている。では防空識別圏は具体的な運用においてどのような役割を果たすのか?
安鵬氏:防空識別圏の役割は主に3つある。第1に、防空識別圏の設定によって、防空早期警戒の範囲を効果的に広げることができる。韓国の防空識別圏は領空から最大390キロメートル離れている。米国の防空識別圏は大陸から最大700キロメートル余りも離れている。
第2に、防空識別圏の設定によって、飛行活動の管理・コントロール空間を拡大し、空域管理・コントロールの実効性を高めることができる。防空識別圏を設定した国の大部分が、防空識別圏内に出入りする、または飛行する航空機に対して、いかなる国籍であれ事前に飛行計画の提出を義務づけており、承認を得れば、計画の時間、航路、空域、高度通りに飛行することができる。
第3に、防空識別圏の設定によって、空中管理・コントロール行動の規範性を強化できる。例えば米国は、航空防衛指揮機関、早期警戒システム、航空宇宙防衛作戦部隊の3者が空への対処を担っている。指揮機関は空からの脅威の情報を受けると、直ちに防空作戦命令を出す。航空宇宙防衛作戦部隊は命令を受けると、直ちに作戦に入る。
総じて言えば、防空識別圏設定の根本的目的は国家の防空・安全を維持するためであり、基本理念は敵を国の外で防ぎ止めることだ。国家の自己防衛権を行使するうえで必要な、主権国家の重要な防御手段だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月27日