11月23日に中国が東中国海防空識別圏の設定を発表すると、各方面が幅広く注目した。実際にはすでに世界20数カ国・地域が防空識別圏を設定している。防空識別圏の歴史、効果、特性などについて解放軍報が空軍指揮学院科学研究部の安鵬部長に話を聞いた。
■防空識別圏とは何か?
記者:近年、防空識別圏という言葉が報道に頻出する。防空識別圏とは何か?その理論と実践の歴史は?
安氏:防空識別圏について各国間に統一の定義はまだない。一般には、海に面した国や地域が海空防衛・安全保障上の必要に基づき、空からの脅威への防備のため、海洋上空に設定する特定空域で、当該空域に進入する航空機に対して速やかに識別、監視、管制、処置を行い、早期警戒の時間を得て、空の防衛・安全を確保するために用いられる。
防空識別圏は決して新しいものではなく、誕生の背景は1940年にまで遡ることができる。当時米国は枢軸国の脅威に対処するため「海岸線沿いに対空監視網を構築する」構想を打ち出した。この構想は戦局の推移に伴い、次第に棚上げにされた。第2次大戦終結後、米ソに代表される軍事大国が高速ジェット戦闘機を多数配備したことで、各国の伝統的な防空システムは大きな脅威にさらされた。早期警戒の距離を拡大し、対処時間を稼ぐため、1950年代に米国とカナダが他国に先駆けて防空識別圏を設定した。現在までに米国、カナダ、オーストラリア、韓国、日本など20数カ国・地域が防空識別圏を設定している。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月27日