『中国の人的資源の状況』白書（全文）
『中国の人的資源の状況』白書（全文）。
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五、労働者の権益保護を強化
人の働く権利を尊重し、働く者の権益保護を重視し、人の尊厳ある労働を実現し、人の全面的な発展を促進すること、これらは中国政府が一貫して堅持している発展理念である。中国政府は一連の政策措置をとり、労働者の権益保護を強化し、人的資源の良質な発展を効果的に促進している。
公平な就業を保障
近年来、中国政府は統一的規範の人的資源市場の建設と管理の強化を行い、歴史に起因する都市と農村の落差、身分の落差や地域の落差などの問題を打破するよう努めてきた。また、人的資源市場の体制的な障壁を取り除き、都市と農村の労働者が平等に就業できる制度を作った。国家の関係部門は、市場管理・監督体系の整備を通じ、人的資源市場の法的な検査活動を展開させ、市場における不法行為の処置と整頓を行い、市場で主体となる求職者などの合法的な権益を有力に守っている。
国は、女性が男性と平等な労働権利を享有することを高度に重視し、それを保障しており、女性が平等に就業することを妨げる障害を取り払う努力をしている。社会の力の動員やそれを組織することによって、女性労働力を就業させるルートを広げ、また、女性の自主的な創業を支える政策を制定し、実行している。各クラスの婦人連合会組織は、女性からの訴えを反映させ、女性が平等に就業し、男女の同一労働同一報酬を実行し、合法的権利を守るサービスの提供などの面において、積極的な役割を発揮している。2008年までに、全国の就業人口の中で女性が占める割合は、45.4％を超えた。
中国政府は、身障者の就業も統一的に計画しており、集中的な就業と分散的な就業を合わせる方針を実行し、身障者の労働権利を保障している。身障者就業を促進する政策の制定と実施を行い、雇用部門が身障者を受け入れる比率は1.5％を下回ってはならず、身障者の就業人数が総従業員数の25％を占める、集中的に身障者を雇用している部門に、税金などの面での優遇を与えている。また、身障者がその福利企業を創設することを指導、援助し、身障者がさまざまな形式を通して、就業に柔軟に対応することを奨励し、サポートしている。中国の各クラスの身体障害者連合会は、身障者の合法的権益を守る努力を払い、身障者が平等に社会生活に参加できるよう、手助けをしている。省、市、県クラスの身障者の就業サービス機関は3043カ所あり、身障者に対する専門的な就業援助サービスを行っている。2009年末までに、全国の都市部における実際の就業者数は、443万4000人であり、農村部では、1757万人の身障者が安定した就業を実現した。
国は、出稼ぎ労働者の権益を高度に重視している。出稼ぎ労働者は中国改革開放と工業化、都市化の進行過程の中で出現した特殊な労働者集団であり、国家経済と社会の発展に重要な貢献をしている。2006年に国務院は、農民工（出稼ぎ労働者）工作連席会議制度を制定し、全国の出稼ぎ労働者の仕事を統一的に計画、協調し指導している。農民が都市で就業する場合のさまざまな不合理な制限を撤廃し、労働の安全と衛生面における訓練を強化し、出稼ぎ労働者が社会保障面でカバーされる範囲を拡大し、養老保険の移転・接続制度を制定し、出稼ぎ労働者の都市での就業の助成を旨とする「春暖行動」「春風行動」という特定扶助計画を実施している。2009年末現在、8014万8200人の出稼ぎ労働者が労働組合の会員になり、80％の出稼ぎ労働者の子女たちが、都市部の国立小中学校で、無料の義務教育を受けている。全国の労災保険、医療保険、都市部の企業従業員基本養老保険、失業保険に加入している出稼ぎ労働者は、それぞれ5587万人、4335万人、2647万人、1643万人に達した。
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