英ロイター通信北京事務所の責任者、ドン氏はこのほど、ロイター通信が発表した中国の今年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率予想データは独自に調査したものだと述べた。しかしよく見ると、今月8日にロイター通信中国語版が発表した今年5月のCPI上昇率の最新データの情報元が初めて「ロイター通信の調査による」となっていることに気づく。「環球ネット」が伝えた。
これまでにCPI予想が命中した7回の報道の情報元にはいずれも「情報筋」や「政府情報筋」、「政府関係者」といった言葉が使われている。
ドン氏は中国のメディアがロイター通信を、サッカー・ワールドカップ(W杯)で試合結果を的中させたドイツのタコにかけて「パウル君」と呼んでいるのを知っているが、これについてはコメントを控えた。今回予想データの情報元が変化したことについて、ドン氏は「調査はわれわれが独自に行ったもので、透明性の高い調査だ」とし、ロイター通信は毎月こうした調査を行っていると付け加えた。
しかし、以前的中させた7回のデータも同社が調査したものか質問すると、ドン氏は「あれは取材したものだ」と答えた。
<統計局の反応>
国家統計局の職員を取り調べ
14日午前の記者会見で国家統計局の盛運来報道官は、国民経済に関するデータの状況について、国家統計局弁公室の職員が関係部門に連行され、マクロ経済データを事前に漏らした疑いで現在司法調査を受けていると述べた。
<専門家の視点>
データ漏えい対策が腐敗対策の新たな課題に
国家行政学院法学部副主任で中国行政法学会副会長の楊小軍教授は、国家経済政策、市場動向に密接に関係する国内総生産(GDP)やCPIは政府当局が公開するべきもので、他のルートを通じて公開するのは違法だという。
中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は金融市場へのマイナス影響について、「様々なうわさや情報提供者が出ると、市場の動向を左右する可能性があるマクロ経済データが資本市場において利益を得るためのコマになる」と指摘する。
データの漏えいは国家の権威性の低下にもつながる。市場の公正な競争を確立するために制度と自律の2方面から着手し、違法・規律違反に対する調査と処分を強化しなければならない。
中国社会科学院人民財富研究センターの李国賢副主任はブログ上に、近年、国家統計局のデータの「先取り」が絶えない。データ漏えい対策が腐敗対策の新たな課題になっていると書き込んだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月15日