移住による貧困扶助を実施している。あくまでも大衆の自由意志を尊重する前提の下で、生存条件が劣悪で、自然資源に乏しい地区に居住している貧困人口に対して、移住による貧困扶助を行っている。それは彼らが生存環境と発展条件を改善する重要な道筋である。2010年までに、中国政府は770余万人の貧困人口に対して移住による貧困扶助を実施し、これらの人びとの居住、交通、電力利用などの生活条件を効果的に改善した。工業化、都市化が進む過程で、一部の貧困地区では移住による貧困扶助と県政府所在地や中心鎮、工業園区の建設と耕地の林地復元、草地復元、生態移民、郷鎮村の合併、災害を防ぎ避けるプロジェクトと結びつけ、貧困農民の移転就業を促進するとともに、これらの人びとが公共サービスを獲得する条件を改善している。
金融による貧困扶助を展開している。資金の不足はずっと貧困者の生存と発展を制約する重要な要素であった。2006年から、国は全国の1万3600の貧困村で貧困村共済金テストを行い、どのテスト村にも財政貧困扶助資金15万元を割り当て、「人有・人用・民管・民享(人民が取得し、人民が使い、人民が管理し、 人民が享受する)、資金回転、雪ダルマ式発展」という方法によって村民の生産の発展を支援し、財政貧困扶助資金を長く効果的に使うメカニズムを構築している。貧困扶助貸付や財政の利息補助の改革を行い、利息補助や貸付の投下規模が拡大するよう、金融メカニズムを誘導しそれ
をテコに、2001年から2010年まで、中央財政の累計では貧困扶助の貸付や財政の利息補助資金に54億1500万元、貧困扶助貸付への拠出に約2000億元を割り当てた。特に2008年に、国は貧困扶助貸付管理体制に対して全面的な改革を行い、市場競争メカニズムを導入し、貧困扶助貸付機構の経営権限を拡大し、利息補助資金管理の権限などを下部におろすことによって、地方と金融機構が貧困扶助開発を進める積極性をさらに引き出し、貧困者の融資難が効果的に改善された。
特殊地区の貧困扶助テストを拡大している。貧困地区の発展を制約する際立った問題を解決するため、中国政府は特殊なタイプの困難な地区で、地元の特徴に見合った貧困扶助開発の活動を行っている。広西チワン族自治区の東蘭県、巴馬県、鳳山県では、インフラ整備を解決するキャンペーンをくりひろげることに力を入れている。四川省アバチベット族・チャン族自治州では、貧困扶助開発とカシンベック病の総合的予防と治療を結び合わせたテストを行っている。貴州省晴隆県では石漠化地区の貧困扶助開発と生態環境建設を結びつけたテストを行っている。新疆ウイグル自治区の阿合奇(アクチ)県においては辺境貧困扶助テストを展開している。雲南省のプーラン族およびヤオ族の山ヤオ支系では全面的な貧困扶助をくりひろげている。汶川、玉樹の地震被災地区では、貧困地区の防災・減災と被災後の復興再建を有機的に結びつけ、それを全面的に推し進めている。これらのテストを通じて、地元の事情に合わせてしっかりと貧困扶助開発活動を行うための道筋を模索し、経験を積み重ねている。