アジア北部の銀行家によると、韓国企業の重役が日本と中国の企業の重役に採用され、海外進出という野望を叶えているのに伴い、2012年、北東アジア企業の間で海外買収ブームが起こると予想される。
2011年末に買収取引件数の伸びは鈍化し、2012年初めも2011年同時期より小さい伸びとなったが、取引件数は高水準を維持する見通し。銀行家によると、欧州主要国の見通しは明るくなく、欧州の銀行は次々と北アジアから撤退しているが、北アジアの企業は資金に余裕があり、国内銀行からも十分な支援を受けられる。
バークレイズ・キャピタルのアジアM&A部門責任者のエドワード・キング氏は、日韓企業が海外買収の動きを強めると見ている。特に日本企業は、国内市場の伸びが期待できず、原価基準が高いことから、円高を機に海外買収の動きを強化する可能性が高い。
日本の武田薬品工業は、スイスの製薬大手ナイコメッドを137億ドルで買収した。日本企業による海外買収では最大規模の取引となる。また、キリンホールディングスはブラジルのスキンカリオールを買収。
中国企業も日韓企業が目をつける業界での動きを活発化させているが、国内のエネルギー・資源ニーズを満たすことに引き続き重点を置いている。中国には現在、世界最大規模の銀行や資源企業がある。エドワード・キング氏は、「中国はまだ世界的な多国籍企業、つまり将来のIBMやエクソンモービルを作ることに熱心に取り組んでいる。この望みをかなえるのに、買収は企業の自然な発展よりずっと手っ取り早い方法だ」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月16日