中国科学院中国現代化研究センターは13日、最新の研究成果「中国近代化レポート2012:農業の近代化研究」を発表した。それによると、2008年の時点で、中国の農業経済水準は米国に比べ約100年の遅れがあるという。農業の近代化が中国の近代化の足を引っ張っていることがわかった。
◇著しい農業水準の差
同センターの何伝啓主任によると、中国の農業近代化の起点はおよそ1880年頃で、先進国より100年の遅れがある。
生産率は先進国と比べてどれくらいの差があるのか?米国は中国の90倍、日本とフランスは中国の100倍以上、ブラジルでさえ中国より高い。
農業の発展水準は先進国とどのくらいの差があるのか?農業増加値の比率、農業労働力の比率、農業労働生産率の3つの指標で計算した場合、英国との差は約150年、米国との差は108年、韓国との差は36年。
08年の時点で中国の農業経済水準は米国に約100年の遅れがあり、農業の労働生産率が工業の労働生産率に比べ10倍程度低く、農業の近代化は国の近代化に比べ約10%低いことがわかった。
◇農民2億8000万人の就業移転が必要
今後40年で中国は2億8000万人の農民を別の就業に移転させる必要があり、農業労働力は3億1000万人から3100万人にまで減る見通し。
これについて専門家は、戸籍制度の廃止、信用管理制度の構築、農業労働力の就業移転加速が必然的な選択となると指摘する。「中国の農業近代化はさまざまな課題に直面している」という何氏。例えば、08年以降、中国人一人当りの平均耕地面積は世界平均の40%程度、08年の一人当りの淡水資源は世界平均の33%、中国の農業労働生産率は先進国の2%、米国の1%に過ぎない。
農業の近代化が中国の近代化の足を引っ張っている。レポートは、約5億ムー(約3333万ヘクタール)の優良農地を「国家食品・食糧生産基地」として明確に区画し、「中国人栄養指南」を研究するなど13の意見を提出している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月14日