先日の中共中央政治局会議は経済のギアチェンジと減速を自信をもって認可した。第2四半期の経済成長率は7.5％にまで下がった。国内外の様々な懸念や憂慮を前に、政治局会議は上半期の経済政策を強く是認し、「全体として良いスタートを切った」と自信を滲ませた。（文：丁志傑・対外経済貿易大学金融学院院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載）

　経済のギアチェンジと高度化に中国は自信を持っているが、リスクや問題を軽視してはいない。リスクを強く重視し、経済と社会の最低限のラインをしっかりと守り、経済発展方式の転換が妨げられ、中断することのないようにしなければならない。下半期および今後一定期間の経済政策を達成するには、変化を冷静に観察し、落ち着いて冷静に、慎重に注意深く対処する必要がある。

　変化を冷静に観察するとは、国際経済情勢の複雑性を十分に考慮するということだ。先進国経済は引き続き分化し、途上国経済は減速し、米国の量的金融緩和政策の調整は中国を含む世界の経済に多大なインパクトをもたらすということに目を向けなければならない。要するに、国際情勢の変化を緊密に注視し、思いがけない状況が生じた際の準備をしっかりしておくということだ。

　落ち着いて冷静にとは、リスクを十分に予測し、対応策をしっかりと準備し、落ち着いて対処するということだ。だが事を急いてはならず、雑音や騒音にミスリードされず、自らが中心であり続けなければならない。

　慎重に注意深くとは、経済環境が複雑化するほど、より的確な政策を定め、実施するということだ。

　政治局会議は、中国の経済発展が新たな段階に入ったことを確認した。30年余りの急速な成長を経て、中国経済の潜在的成長率は下降した。もしひたすら成長率を追い求めて、速やかに調整を行なわなければ、問題や矛盾は積み重なる一方で、積弊を改めがたくなる。経済成長率を引き下げ、経済発展の質と効率の向上を柱とし、短期的な産みの苦しみと引き換えに長期的な持続可能な発展を得て初めて、アップグレード版中国経済の構築が可能になる。