どんな国でも経済危機の要素はある。しかし危機を起こすかどうかは、その国が成長の優位性を有しているか否かである。西洋諸国と違い、中国の最大の優位性は、消費水準の持続的な拡大とそのレベルアップにある。それが今の中国の旺盛な消費需要を支えている。
番組レポーターは、武漢市の夜間営業のマーケットで中国における普段の消費は見ている。しかし潜在的な消費需要を分析したわけでもなく、毎年11月11日の「独身者の日」の購買力の大きさを体験したわけでもない。中国の消費と成長優位性に目を向けなければ、悲観的で偏った結論にたどりつくは当然といえる。
番組の中国の投資についての見方も表面的だ。番組では、中国が高い投資を維持することは難しいと見ている、しかし中国には続けるべき投資とそうでない投資のふたつの面がある。前者は農村のインフラ整備やサービス産業である。明らかに投資が不足している分野だ。その一方でやめるべきは、かつての投資主導によって経済成長を追及するモデルである。