第3回中日ハイレベル経済対話が28日、北京で開催され、中国の王岐山副総理と日本の岡田克也外務相が対話を主宰した。レアアース輸出規制が今回の対話の重要な議題の一つとなった。日本側はレアアースの輸出規制を緩和するよう求めたが、陳徳銘商務部長は、輸出規制には環境保全への配慮が含まれていると語った。
日本国外務省の佐藤悟報道官は28日夜、北京でのブリーフィングで、「レアアースの輸出規制は日本経済だけでなく、世界の産業チェーンにも影響を及ぼしている。中国はパソコンの生産国だが、ドライバーは日本や中国台湾から輸入しているのだ。レアアースの輸出規制によって、ドライバーの価格が急騰している。高くなったドライバーが中国で販売されると、最終的には中国の産業も影響を受けることになるだろう」という日本側の主張を説明した。
これに対して、陳徳銘商務部長は記者のインタビューに応じて、「中国がレアアース輸出を規制したのは経済の発展や、環境保全、国の安全などの総合的要素を考えての結果である。レアアースは中国の自然資源や生態環境に恵まれていない地域に、極めて少ない含有量で存在している。レアアースを大量に採掘するのは、現在の条件のもとでは生態系に大きな損害や破壊をもたらすことになるだろう」と述べた。
そして、陳部長は、「中国はレアアースの輸出だけでなく、採掘や生産、貿易というチェーン全体を制限している。こういうやり方はWTOのルールに合致するものだ」と説明した。
レアアースの輸出規制が中国経済にも影響を及ぼすことについて、陳部長は、輸出規制は「やむを得ないことだ」とし、「人類のレアアース資源は非常に限られているので、ハイテクでそれに取って代わるものを見つけなければならない」と主張した。また、廃棄された携帯電話などからレアアースを回収し、リサイクルする方法も考えられ、日本側に回収作業に参加するよう提案した。
双方は今後、レアアース輸出問題について引き続き交渉を行い、双方の貿易往来を促進することを目指している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月29日