緊迫する朝鮮半島情勢への対応のため、各関連諸国が協議の段取りを進めている中、日本外相が北方領土(ロシア名・南千島諸島)の視察の方針を示しているという情報が伝えられた。
前原誠司外相は11月30日の記者会見において、12月4日、北海道根室市を訪問する際に、北方領土を対岸と上空から視察すると発表した。
対岸からの北方領土視察 国民へのパフォーマンス
前原氏は国土交通相時代(沖縄及び北方対策担当相も兼務)の昨年10月17日にも、北海道根室市を訪問した際、歯舞群島の島影を対岸から望遠鏡で確認した後、海上保安庁の巡視船に乗り込み、北方領土を洋上視察している。
前原外相の今回の北方領土視察は、対岸、上空のどちらからであっても、結局は遠くから歯舞群島などを見て終わるだけである。
前原外相がこの度北方領土の再視察を表明したのは、一カ月前、国後島に露メドベージェフ大統領が上陸・視察したことに対しての対抗意識からだという意見もあるが、ほとんどが「国民の眼を意識したパフォーマンスだ」とする意見が圧倒的だ。ここのところ問題を抱えている外交戦略により一直線に降下している内閣支持率をここで回復させたいだけだ、と。