日本不動産バブルの思い出①土地と株式の投機熱

日本不動産バブルの思い出①土地と株式の投機熱。 1980年代には、日本は高度成長を遂げた世界有数の先進国に変身した。そこでまた「黄金の国・ジパング」説が、投資家の間で囁かれるようになった。実際に金を産出しなくても、土地の価格を見るだけで、日本がどれだけ経済的に豊かな国であるかが分かるというものだ。この狭い列島の地価総額がアメリカの4倍になろうというのだから…

タグ: 土地 黄金 先進国 改革開放

発信時間: 2011-06-13 14:57:31 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

土地と株式の投機熱

資料写真:日本の不動産会社

バブルの頃、大学の図書館には、人っ子一人居なかった。教員らは社会調査に駆けずり回り、学生らも実践活動で各地を飛び回っていた。図書館の書籍を借りに来る人は多かったが、閲覧室には人影がほとんどなかった。当時、中国の大学の図書館内は、勉強する学生らであふれていたため、それとは全く反対の光景がここにはあった。

大学院生にもなると、広い研究室を使うことが出来る。学生らはそこで何らかの問題を取り上げ、ディスカッションすることを好んだ。話題はとめどなく溢れ、数十分で終わる時もあれば、数時間要したこともある。当時、日本の学生らの話題は幅広く、専門分野に関わるものだけでなく、株投機や土地転がしなどといった社会の変化や問題などといった話題も多かった。中国から日本に留学に来たばかりの私にとって、株式や不動産市場などは、全く別世界のことであり、私は口を挟める機会すらなかった。

当時、新聞の紙面構成で最も大きな割合を占めたのは、政治面や経済面ではなく、投資・財務面、金融面であった。高卒の主婦でさえ、投資・金融関連の用語が口からすらすらと出てくる、そんな時代であった。

1990年、冬休みを利用して大阪に行った時、私は報道関係で働く先輩に連れられて、大阪証券取引所を見学した。学校が冬休みの時期であったが、高校生が多く見学に来ていた。学校によっては金融関連の内容を盛り込んだ教材を使っているという。みな幼さの残る顔つきだが、頭の中はすでに経済学への関心が高く、証券取引所の解説者への質問の中には、非常に難しい内容のものもあった。

大阪証券取引所の経験豊かな職員がいて、所内を見学しながら、日本の証券取引所の制度や近年の売買高が急増していることなどを、私にマンツーマンで解説してくれた。私が思いつくままに上場企業を何社か挙げると、この職員はすぐに、その銘柄コードや、最近の取引件数、株価の値動きなど詳しい情報をすらすらと言ってのけ、私をいたく驚かせたのを覚えている。

当時、日本の証券バブルは絶頂期にあり、日経平均株価は4万円近くに達していた。誰もが日本の新時代到来を信じて疑わなかった。だが、あれから20年近く経った2008年、日経平均株価は大暴落し、バブル経済崩壊後最安値の6千円代を記録した。国民の誰もが株で大儲けした時代は、もう2度とやって来ないのだ。

株よりも確実な投資、土地神話を信じてやまない日本人

土地は株とは違う。アメリカの国土は日本の20倍広いが、日本の地価総額はアメリカの2倍だ。日本の国土はこれ以上広くはならないから、地価が下がることは絶対にない。誰もがそう思っていた。

(つづく)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月13日

 

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