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発信時間： 2011-06-21 11:53:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の財務省が6月20日に発表した貿易統計の速報値によると、震災後に自動車などの輸出が大幅に減少したため、5月は巨額の貿易赤字を計上し、単月の貿易赤字額としては過去2番目の規模となった。日本の官僚は同日、輸出の大幅減は、欧州債務危機の深刻化が原因だとしている。

財務省が20日に発表した統計によると、4月に輸出額が前年同期比12.4％減少したのに続き、5月の輸出額は10.3％減となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト25人による予測値は8.4％減だった。また、5月の日本の貿易赤字額は8537億円で2カ月続けて赤字を計上し、2009年1月の9679億円に次いで2番目に大きい赤字額となった。

与謝野馨経済財政担当相は同日、生産力の回復も予想以上に早くなる見通しで、欧州の債務問題は日本の輸出の不安定要因だとの見方を示し、「貿易赤字は大変深刻な問題。赤字が一時的要因か、構造的なのかを見極める必要がある」と強調した。

RBS証券東京支店の西岡順子チーフエコノミストは、統計発表前に次のように話している。生産の回復が鮮明になっているが、海外の経済成長が回復していることから、日本経済が長期的な成長となるかを予測するのはまだ難しい。今年後半にV字型の回復となる可能性は低い。

一方、日本政府は20日に発表した6月の月例経済報告で、景気の基調判断を「このところ弱い動きとなっている」から「依然として厳しい状況にある中で、このところ上向きの動きが見られる」に上方修正した。政府が景気の基調判断を上方修正するのは4カ月ぶり。また、欧米や新興国の景気減速を新たな下振れリスクとして書き加えた。海外経済の動向を下方修正するのも2年4カ月ぶりとなる。

パシフィック・インベストメント・マネジメント（PIMCO）日本部門の正直知哉マネージングディレクターによると、震災が日本の債務不履行のリスクを高めることはない。経常収支は黒字のままで、必要であれば日本銀行は貨幣を発行して債務を返済することができる。正直氏は、「震災前、日本企業の社債は吸引力がなかったが、震災後に日本と他国の間の金利差が拡大したことで投資のチャンスが生まれた」と話す。

そのほか、日本円の上昇も日本の輸出額が減少した主な要因の一つと見られている。内閣府は6月9日、第1四半期の国内総生産（GDP）は前期比年率3.5％減だったと発表した。トヨタ自動車とホンダ自動車も、円高と地震の生産への影響により、減益するとの見通しを発表。両社は、生産を海外に移転する可能性を示唆している。

海外メディアは、日本は10年で3回目の後退に陥っているが、円は引き続き上昇すると分析する。日本で3カ月前、地震と津波に伴う25年で最悪となる放射能漏れ事故が起き、市場では保険会社が保険金支払いのために海外資産の円転（レパトリエーション）を行うとの見方が強まっている。こういった予想に押し上げられ、円は1週間で8.5％上昇した。

政治家と中央銀行の総裁が注目するのは、米国の経済成長の減速、欧州の債務危機、中東情勢の緊迫化だ。これらにより、リスク回避機能を備える日本円は受益すると考えられる。先週、円の対ドル、対ユーロ為替レートはそれぞれ0.34％と0.63％上昇した。

 

「中国網日本語版（チャイナネット）」2011年6月21日

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