専門家によると、日本の新幹線は1分間に4キロメートル以上の速さで走行することができる。その速さで非常ブレーキをかけた場合、完全に停止するまでには数キロメートルを要する。運転手が前方の異常を視認し、すぐに非常ブレーキをかけたとしても、数分間隔で発車する新幹線にとって、事故なく安全に停止させることは不可能に近い。そのため、新幹線の全車両には、先行列車との間隔に応じて列車の速度を自動的に低下させる自動列車制御装置が設置されている。指令所から何の指令が出されなくても、先行列車との距離が近づきすぎると、後続列車は自動的に減速する仕組みになっている。
地震などの影響で新幹線が停電になることもある。専門家は「路線が停電した場合、その路線上の全ての新幹線がストップするようになっています。ある区間で停電が起き新幹線が動かなくなった状況で、別の区間は停電せず列車も普通に運行されるなんてことは絶対にあり得ません」と述べている。
新幹線が47年もの間、一人の死傷者も出さずに来られたのは、ひとえに、低レベルのミスを犯したことがなかっただけに過ぎない。千人規模の乗客を乗せて走る列車にとって、鉄道事業者側の小さな単純ミスは絶対に許される事ではない。なぜなら、人が歩く又は走る速さの数十倍の速度で走る列車に乗車した場合、その生死に関連するリスクは、乗らない場合の数十倍に跳ね上がるからだ。人の命はロボットのように金で買えるものではない。大切な家族や仕事を持つ乗客が安心して乗車できるよう、低レベルのミスが発生しないシステムを構築することが高速鉄道にとってより重要となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月1日