◇購入代行業者の不満
「購入する時にリスクがあることは知っていたはずだ。私たちは購入を代行しているだけだ。私たちが責任を負えるわけがない」とある購入代行業者は不満を漏らした。彼が販売する明治の粉ミルクは日本で購入して空輸したものだ。粉ミルク1箱の輸送料は400元近くかかる。返品・交換の往復輸送費を負担できるはずがない。消費者がある程度の費用を負担したとしても損する。「客が返品・交換したいなら仕方がないが、客側もある程度の費用を負担するべきだ」。
明治の粉ミルクはまだ北京で販売されている。インターネットショッピングサイト「紅孩子商城」では、明治の粉ミルクがまだ販売されているが、一部の商品で「欠品」がみられた。900グラム入りの粉ミルクの会員価格は199元。「同商品の生産地は日本か、オーストラリアか?安心して購入できるのか?」といった消費者からの問い合わせが殺到。これに対し、「同商品は上海の倉庫に在庫があります。生産地はオーストラリアです」とサイト側は回答している。
北京で明治の粉ミルクを販売している場所は少ない。明治乳業貿易(上海)有限公司の担当者によると、北京ではごく少数の「紅孩子」など育児用品を取り扱うインターネットショッピングサイトとだけ提携している。その一方で、知り合いや代理購入を通じて日本原産の明治の粉ミルクを購入する消費者が統計は難しいが、かなりいるという。
北京市消費者協会の責任者は「明治粉ミルク事件の問題の核心は、消費者の購入ルートではなく、粉ミルクに安全問題が存在するということだ」と指摘。「その製品が乳児の安全の権利を侵害した場合、消費者に附加条件を出すことなく解決するべきだ。国内の消費者がレシートがないとしても、製品を返送しさえすれば、明治は無条件で返品・交換をするべきだ」と訴える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月12日