香港紙「大公報」10日付け記事 米国がアジア太平洋回帰を強調し、忠実な盟友である日本は再び十字路に差し掛かっている。日本はこれを機に対中関係を改善し、脆弱な中日関係を健全な発展へと進めるのか。それとも、米国の戦略に協力して引き続きアジア太平洋における米国のボディガードとなり、「友達」を「ライバル」にするのか。この選択は中日米の三角関係だけでなく、アジア太平洋地域の安全にも大きな影響を及ぼす。残念なことに、日本の外交は後者に傾きつつあり、一部メディアもその動きを助長し、日本は米国の対中抑止戦略に協力し、米国の望み通りの大きな貢献をすべきだと主張している。
このほど発表された米国の新国防戦略によると、中国が焦点となり、米国はアジア太平洋地域での軍事力を強化すると同時に、同盟国に役割の強化を求めている。これは日本が成果を上げるきっかけとなる。米同時多発テロ事件の発生後、米国はアフガン戦争とイラン戦争にはまり込んだ。中国軍は現代化の道をまい進し、日本は軍事力を強める中国は日本にとって最大の脅威だと主張した。
米国の対中抑止力が効果を発揮するかどうかは、同盟国の協力にかかっており、中国軍の海洋進出における要衝である日本の役割はそれを決定づける。これらの点から、日本は日米同盟を中心に、オーストラリアや韓国などと協力して中国に対応するという外交方針をとると見られる。つまり、日本は米国の戦略の重心移転を自分をよく見せるチャンスと捉え、出来栄えがよければかばってもらえると思っている。
実際、日本は「起こるかもしれない」という仮説に基いて情勢を判断しており、こうした判断は国を行き詰らせ、復興の目標から遠ざけることになる。中国が迅速に台頭したのは事実だが、世界にとって脅威ではなくチャンスである。改革開放を進め、繁栄する中国は、貧しくて立ち後れ、鎖国する中国より安定し、予測しやすい。
中国の台頭は平和的台頭で、いかなる外部の力も阻止できないものだ。米国の戦略の東への移動は中国を抑止対象としていることは間違いないが、最終的な目的は中国と戦争することではない。現在の世界において、2つの超級大国が戦争することは考えられず、双方が同時に沈没することになる。国同士の対立と摩擦は関係の発展過程で避けられない動きで、中米関係が構築されつつあることの表れでもある。中米関係に波乱や起伏があっても、最終的には協力・ウィンウィンに向かうだろう。
戦術上のミスは修正できるが、戦略上の判断ミスは後戻りできない災難を招く。中日国交正常化40周年となる今年、中日両国は理性的、冷静にアジア太平洋地域の変化に応じなければならない。原則的な是と非の方向性で間違った道を歩み、誤った戦略をとってはいけない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月11日