◆長期の保守的姿勢が長年の損失招く
政治改革を推し進めるという動きも、民主党政権の度重なる失態により、今や見る影もなくなっている。
54年間続いた自民党政権への失望、まだ若い民主党政権への不安が、日本国民の政治への不信感を助長した。野田政権が外交で続けているのは自民党時代の日米同盟であり、日本国民の約80%が中国に反感を抱いている中、野田政権は中国を孤立させる価値観を持った外交を推し進めている。地方の自治体の中にも、中日関係を悪化させて知名度を上げようとする政治家がいる。日本経済の発展モデルが転換期を迎える中、リードするべき政治・外交は却って経済に大きく後れを取り、日本とアジア諸国の距離をどんどん引き離している。日本の政治は今後、長い年月をかけて対外関係を調整していかなければいけない。
生産技術の面から見ると、日本は1980年代既に東南アジアや中国で投資を始め、非常に早いグローバル化のステップを歩んでいた。しかし、21世紀になると、日本はトップランナーとしての座を明け渡してしまった。
その大きな要因となるのが、生産技術の変化である。日本が行なっているには、企業内部、グループ内部の技術の閉鎖的なシステムである。メーカーは単独体制で戦い、部品には通用性がない。日本企業の内部競争は、過去に多くの有名な企業を排出した。しかし、グローバル化の競争においては、過剰な内部競争はメーカーの市場でのシェアを下げてしまい、研究開発に多大な投資をしても、効果があまり得られず、日本企業は自滅してしまう。特にデジタルビデオカメラや一眼デジタルカメラの開発に力を入れていたあまり、その他の分野の研究開発が滞ってしまうという状況は10年余りも続いていた。
◆社会の安定が日本の活力を取り戻す