政治構造の制約によって、日本で改革に対する共同認識を得るのは難しい。政党政治は民主政治という初志から遠くかけ離れ、政権の維持こそが最大の政治目標という考えが強まり、世論を利用し、また却って世論に振り回されているという現状だ。今のような政党政治の構造では、どんな改革法案も政権を危険の渦中に導いてしまうため、実行しないに越した事はなく、また実行すること自体難しいのである。
また、日本の立場と外交戦略は保守的な方へと戻っている。民主党政権は国の立場と進行方向を自民党時代の古い道へと戻している。つまり、日米同盟の深化が日本の戦略的な選択であり、国家の目標を達成する手段であると考えている。しかし、「正常な国家」という目標、「米国と親しくなる」という戦略的選択と日本自身の客観的な条件との間には構造的な矛盾が生じている。
米国は昨年、戦略の重点を中東から「中国けん制」へと変換することを強調し、その上で日本との同盟の安定を最優先にした。日本はこれを戦略的なチャンスと考え、最重要同盟国という特殊な身分で、積極的に米国のアジア太平洋戦略に参入した。
しかし、米国の戦略部と外交関係は日本の必要に応じて計画されているわけではないため、米国の行動、特に中米関係に日本は逐一過剰反応することとなった。日本は一方で「米国の中国とバランスよく牽制し合う戦略」に参加し、もう一方では「中国の急速な経済成長のチャンスを逃すまい」としている。日本はこの「三角関係」の確立を提唱している。しかし、中米日の「三角関係」が「中国」と「日米同盟」との関係になるはずはなく、そのため、日米同盟を前提とした「三角関係」の枠組みはあり得ないのだ。日本の外交・安全保障における戦略的選択と中国市場の長期的な発展から利益を得たいという考えには構造的な矛盾が存在するのだ。このような様々な矛盾を克服するには、今後もしばらくは抑制と忍耐が必要になるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月14日